転職ご相談事例

家庭の事情で薬学部の学費が払えなくなった。奨学金などお金を工面する方法を教えて。

春日さん
20歳、男性

私立の薬学部に通っている2年生です。

親の仕送りで大学卒業するまで勉強をする予定だったんですが、親の事業が傾いてしまい仕送りが望めなくなってしまいました。そのため今は、アルバイトを増やして生活費をすべて自分で稼いでいます。

しかし、アルバイトだけでは学費の捻出が厳しい状況です。

休学して学費を貯めようかとも思ったのですが、残り4年間の分を貯めるには、1年程度の休学では厳しそうなので選択肢から外しました。

学費をサポートしてくれる薬局があると聞いたのですが、もしご存知でしたら教えていただきたいです。できれば給付型の奨学金をもらって、卒業を目指したいと思っています。

貸与型だと、親の収入が関係してくると思うので、厳しいと思うんです。成績は良い方なので、成績優秀者対象の奨学金でも応募できる可能性があると思っています。

早く大学を卒業して就職し、金銭的にも精神的にも親を支えられるようになりたいです。キャリアとは関係ない質問になってしまい申し訳ないですが、ご回答いただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。

ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら

自分で生活費と学費を捻出するのは大変な苦労だと思います。

現在、アルバイトを増やして生活費を出しているとのことですが、残念ながら給付型の奨学金だけで生活費と学費をまかなうことはできないので、貸与型と併せて紹介します。

給付型奨学金をもらうには、大学が独自に支援している制度を探して申し込む必要があります。ただし条件が細かく、さらに大学にその制度がなければ受け取ることができません。詳しいことは大学の学生課に行けば教えてくれると思います。

また月数万円程度の給付が一般的で、学費と生活費をまかなえるような金額を給付してくれる大学はおそらく存在しないでしょう。

続いて貸与型の奨学金ですが、現在、日本学生支援機構が提示している私立大学薬学部の貸与型奨学金の上限は月14万円です。ただしこちらは利子がつきます。

月14万円でも学費と生活費はまかなえませんよね。春日様がどのくらいアルバイトで稼げるかにもよりますが、学年が上がるにつれて学業に集中しなければ単位を落としてしまう危険性があります。

したがって、貸与型奨学金に加えて国が運営している教育ローンの申し込みを検討してみてはいかがでしょうか。

奨学金の申し込みは春日さん自身で行えますが、教育ローンの場合はご両親に申し込んでもらわなければなりません。扶養する子どもの人数や年収上限などの条件がありますが、最高350万円まで貸与してもらえます。

これに足りない分をアルバイトでまかなえないでしょうか。ただ5年生・6年生は薬局や病院実習があったり、卒業試験や国家試験の勉強でアルバイトに集中できないと思います。

そこで、薬学生5年生以降を対象とした企業の奨学金制度に申し込んでみるといいと思います。

例えばこちらの企業だと、薬剤師国家受験資格を得られる薬学生5・6年生を対象に月10万円まで無利子で貸りることが可能です。そのままこの企業に就職して2年間勤務した場合、借りた奨学金は全額返済免除になります。就職してから奨学金を代わりに返済してくれる企業はありますが、学生の間に直接貸与してくれる制度は特にありがたいですよね。

ここまでをまとめると、
・大学の給付型奨学金を探して申し込む
・日本学生支援機構の貸与型奨学金を申し込む(最大月14万円)
・両親に教育ローンを申し込んでもらう(最大350万円)
・薬学生5年生以降は企業の奨学金制度に申し込む(例:月最大10万円)
これらを上手く利用すれば春日さんが休学することなく、薬学部をストレートで卒業して薬剤師の仕事に就けると思います。

頑張ってください。

ひとみひとみ
薬剤師、ライター。オランダ在住。(詳細はこちらのページで)

ドラおじさんが非常に詳しく解説してくれたので、私からはアルバイトと奨学金の注意点や補足をしたいと思います。

私は学生時代にアルバイトに専念しすぎて留年した友達を何人も見てきました。

留年してしまっては時間も学費も無駄にしてしまうので、アルバイトは慎重に行ってくださいね。特にテスト期間中は勉強に集中できるように。追試料も馬鹿にならない金額ですしね。

また、ドラおじさんが紹介した日本学生支援機構では、失職などで家計が急変した学生を対象にした緊急採用の奨学金という制度が存在します。条件が細かく定められており、月額2~6万円程度借りることが可能です。

ただ、すでに奨学金を借りている場合は貸与期間の制限があるほか、借りられない場合もあるので、一度大学の学生課で聞いてみてください。

さらに、アルバイトでまかなうことがすでに厳しいようであれば、薬学生1~6年を対象にした奨学金制度も存在します。こちらの病院では月5~12万円を貸与しており、2年生からでも申し込めます。また、条件をクリアすれば返済免除制度もあるので、奨学金の返済に苦しまずに済むのではないでしょうか。

ただし、企業から奨学金を借りた場合は、基本的にその企業に就職してまとまった期間就労する必要があります。就職の選択肢がなくなってしまう点だけあらかじめ留意してくださいね。

切羽詰まった状況だと思いますが、奨学金制度を活用して立派な薬剤師を目指してほしいと思います。

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