転職ご相談事例
就職前の話と全然違う!すぐ辞めたいけど、1年足らずで辞めても良いの?
- 佐久間
- 24歳、男性
転職しようか迷っている者です。 この春から薬剤師になり、経験も未熟で今から転職するのは危険だと感じています。
ですが、現在勤めている大手薬局チェーン店が会社説明会で言っていた事、「この会社に勤めよう」と思っていた理由が何ひとつ満たされておらず、サービス残業も多く、何よりも同じ店舗に勤めている先輩達の誰もが「辞めたい」「どの時期で辞めようか」と公言していることに大きな不安を抱いています。ひとつ年上のOJTをしている先輩に至っては「私を育てたら辞めよう」と思っている節さえ感じます。
今勤めている店舗は慢性的な人手不足で、先に先輩に辞められてしまうと私が辞められなくなる可能性が高いです。周りの人の動向を見ていると「3年働いたら辞めよう」「1年働いたら辞めよう」「半年働いたら辞めよう」とどんどん早く辞めたほうがいい気持ちになってしまいます。
正直焦っていますが、「実習生に毛が生えた程度の新米薬剤師を雇おう」「勤め始め1年足らずで辞めた人を雇おう」と思うような企業が果たしてあるのか不安があります。 ですので、もし同じような例や、そういった転職で注意したほうがいいこと、辞めるのは避けたほうがいい時期や失敗例などがありましたら教えていただきたいと思い質問させて頂きました。
お忙しい所恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
- ドラおじさん
- 薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら)
お問い合わせありがとうございます。ドラおじさんです。
私は辞めちゃえば良いと思いますよ。それに新卒採用の計画が達成できなかった企業って、喜んで「第二新卒」の採用をしてくれるんです。第二新卒っていうのは、新卒後すぐに離職をしてしまった人たちのことです。なので「新米薬剤師だから…」という心配も不要です、辞めちゃいましょう!
ただし転職理由は、佐久間さんが今のように理由をあげて、「就職先の選定をミスしちゃいました」って正直に伝えないでください。佐久間さんの転職の理由を見ると、他責性が強くて環境依存型なんです。
採用する側としては「新卒が足りなかったし、配属はどこでも大丈夫って言ってるから一応採用するか」と、合格にするとは思うんです。けれども、他責性が見えて環境依存型だと思われると、管理職に向かないと思われてしまうんですね。さらに、メンターとか店長とか、佐久間さんの上に立つ人の選定にも気を遣うことになります。
なので、「半年くらい様子を見て、ダメだったら飛ばして辞めさせれば良いや」とか、「文句を言ってきて周りをネガティブにするなら、辞めてもらえば良いや」と考えられてしまうのが実情です。
実際採用の際に、人事の方からこういう会話って出るんですよ。若いんでしょうがないって話にはなるんですけど、他責性が強いとか環境依存型というのは、人事から見ると問題があると判断されます。「うちで馴染めなかったら出て行ってもらっていいや」ってなっちゃう。環境に依存していて周りのせいにする「うるさい人」とか「悪影響を及ほず人」って思われちゃうんですよね。
だから佐久間さんは、「相手にどう思われるか」を念頭に置いたうえで転職理由を考えてみましょう。そして、次の職場でも1年持たなかったら、以降の転職はより厳しくなると考えてください。
なので、ここでもし1年頑張れるんだったら、実は頑張った方がいいんですよ。研修とかがあるんだったら、我慢して1年は残って、スキルや知識を身に着けた方がいい場合もあるんで。
それがない場合には辞めちゃった方が良いんですが、そういう時に私は「1年、できれば3年は次の職場で頑張っていただきたいです。じゃないと、次の転職はお手伝いできませんよ」ってお伝えしています。短期離職を繰り返す方って、転職が厳しくなってしまうんです。
そのうえで、普段は求人って1~3社しか提示しないんですが、5~10社提示しています。色んな企業を見比べて、新卒の就活のやり直しをしてもらうためです。そうしていくと、自分の過ちに気がついたりする方も多くて、良い方向に進むこともあるんです。
- ひとみ
- 薬剤師、ライター。オランダ在住。(詳細はこちらのページで)
入社した会社・薬局店舗の当たりが悪かったようですね。結論から申し上げますと、今すぐ辞めた方がいいと思います。
1年働いた薬剤師も半年未満で辞めた薬剤師も、市場価値としてはそこまで変わらないと思います。むしろ、前職の薬局のカラーに染まっていないフレッシュな新米薬剤師の方が、雇う側からしても扱いやすいです。
一般的に「新卒で勤めた会社は3年以上働かないと転職はできない」などといわれてきましたが、ドラおじさんも話している通り、現代では第二新卒の需要は高く、1年未満で辞めたとしても転職先には困りません。実際に私の弟も、新卒で入社した会社がブラック企業だったため3ヶ月で辞めてしまったのですが、第二新卒として転職活動し、すぐにベンチャー企業の内定をもらっていました。今ではその会社の経営企画のマネージャーにまで登りつめています。
このように資格を持たない一般職であっても、第二新卒は需要があるのです。つまり第二新卒の薬剤師であれば転職先には全く困りません。
私が以前働いていた調剤薬局にも、新卒で入社した会社を1年で辞めて転職してきた第二新卒の薬剤師さんがいらっしゃいました。前職は総合病院の門前薬局でかなり忙しく、先輩薬剤師全員が毎日ピリピリしていて、誰にも質問できる状況ではなかったそうです。
彼女も佐久間さんと同様、転職して仕事が見つかるのか不安だったそうですが、意外とすぐに見つかったと話していましたよ。仕事上も全く問題なく、人間的にも素直な方でした。よほど前の職場が大変だったんだろうなと思います。なので佐久間さんも自分を責めすぎないようにしてくださいね。
ただし、注意しなければならないのは短期離職を繰り返すこと。次に転職した会社をまた1年足らずで辞めてしまうと佐久間さんの経歴に傷が入り、薬剤師としての市場価値は下がります。したがって次の就職先は慎重に選んでください。今回の会社選びの失敗はなぜ生じたのかをよく考えて、できるだけ長く働ける職場を見つけるようにしましょう。