転職ご相談事例

反抗期の娘と接するのが辛いので、復職を考えている件。転職のプロに相談してみた

ゆうこさんゆうこさん
45歳、女性

中学3年生の娘をもつ薬剤師です。

出産を機に退職し、これまで家事と育児に専念してきました。ですがもう娘も大きくなりましたし、これから高校・大学と進学して学費もかかってくるので、復職しようと思っています。そこでパートで少しだけ働くか、フルタイムでがっつり働くかで迷っています。

というのも実は、いま娘が反抗期の真っ只中でして……話しかけても無視したり、口を開いたかと思えば「うざい」「話しかけないで」などと言ってきたりするのです。そして叱るとすぐ自分の部屋にこもってしまいます。この反抗期が一時的なものだということは分かっているのですが、親だって人間なので、子どもの言動で傷ついたり落ち込んだりもしてしまいます。

娘にとっても親が近くに居ない方が良いのであれば、土曜日に仕事を入れてしまうのもアリかなと思っているのですが、土曜日に家に親が居ないのってどうなんでしょうか? 受験期というのもありますし、土曜日に家に居なかったり、あとは平日も帰りが遅くなってしまったりすると、娘の反抗期が加速してしまうのではないかという不安があります。

正直、反抗期の娘に対してどこまで干渉していいのか、どこまで手を離していいのか、さじ加減が分かりません。

こんな境遇での相談は、過去にありましたか? もし私と似たような方が居たのであれば、今どのような勤務スタイルで働いていらっしゃるのかが気になります。よろしくお願い致します。

ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(実在の人物です。ドラおじさんの詳細はこちら

1.反抗期、親は家に居ないほうが良いのか

これは、紹介の終盤のほうでよく持ちかけられるご相談ですね。

私自身も10代の頃は、親との関係がかなり悪い時期がありました。反抗期って結局、そういう時期なんですよね。親との距離を保ちたいし、積極的に干渉してほしいとも全く思わない。放っておいてほしい。そう思っていました。そして実際に、放っておかれました。今はそれが幸せだったなと思います。放っておいて欲しいときに放っておいてくれて、それでいてきちんと見守ってくれて。その事実に対して、私は今すごく感謝をしている。そういう話を、ご相談の場面でよくしていました。

加えて、親の働く姿はかっこいいと思ったし、影響を受けたという話もします。例えば、私がいわゆるバックオフィス系の仕事よりも「キャリアアドバイザー」というフロントに立つ側の仕事に就きたいと思ったのは、父の働く姿を見ていたからです。また、専門性を持ちたい、手に職を持ちたいと思ったのは、母の働く姿を見ていたからです。

反抗期に親が家に居ることが、子にとって価値があるのか?ですが、私はいつも「価値がある」と答えています。

反抗って、要は甘えなんですよね。日々の生活の中でなにかしらうまくいかないことがあって、その不満を理不尽に親にぶつけているわけです。そういう状況のなかで、ぶつける対象としての親が家に居て。うざいかも知れないですけど、学校生活のこととか、身体のこととかをちゃんと気にかけてくれて。そして毎日、あったかいご飯とお風呂を用意してくれて。これって、子にとってすごくハッピーなことだと私は思います。

同時に、親が働いている姿を子どもに見せるということも、非常に価値があることだと私は思っています。子が「働く」ということに興味を持てるようになったり、「好き」を大人になっても続けている親の姿に刺激を受けたり、単純に親を尊敬できるようになったりなど、様々な良い効果が見込めるからです。また親自身も、仕事をすることで自己肯定感が高まり、子と良い関係を築きやすくなります。

勤務スタイルの具体例としては、9時-13時で週2,3回の扶養内パート、あるいは9時-17時で週4,5のパート、などが考えられます。またこれに加えて、仕事ではなく、趣味の習い事を週1でしてみるというのも良いかと思います。

つまり、親が家に居ることと、親が家の外に出ること、その両方が子にとって価値があるのです。

重要なのはこの2つのバランスです。仕事を頑張ると家に帰るのが遅くなることもありますが、とはいえ夕飯をきちんと作ってあげようと思ったら残業はまずできません。両方を全力で頑張ることはできないのです。この丁度良いさじ加減は、ご相談の場で細かくヒアリングをしながら調整していくことになります。

2.反抗期の子どもに心を開いてもらうコツ

進路相談の記事でも書いたんですが、じつは私、学生時代に長く塾講師をやっていたことがありまして。で、そのときに「俺バリバリの反抗期やぞ」みたいな子をなぜか私がたくさん担当していたんですね。中学生が特に多かったです。キャリア相談の場面では、そのときの経験をベースに「子どもとの接し方」についてのご相談に乗ることもしばしばありました。

反抗期の子どもに対する具体的な接し方ですが、まず私のほうからは、その子の核心に触れるようなことを一切聞かないんです。たとえば「なんで無視するの?」「学校でなんかあったの?」とか。こういうのは、いきなり言われてもムカつくだけです。

反抗期の子は、心を開いてくれるまでにどうしてもある程度、時間がかかります。授業の回数で言うと、3回から、多いと10回掛かるケースもありました。その間に「そういえば昨日、何食べた?」とかのどうでもいい話をするところから始まり、あとは、例えばゲームが好きという情報を母親から得ていたらそのゲームのパッケージ名を教えてもらって、実際にやってみたりもしました。そして「実は俺このゲームやるんだけどさ」という話を、頃合いを見てその子に振ってみるとか。

そうやって徐々に近づいていくと、ある日突然「僕、不登校なんです」みたいなことを言い始めるんですね。そのとき私は「あ、そうなんだ。気付かなかったわ」と言って。すると、自分から少しずつ自分のことを話し始めるんです。

そして次が非常に重要ですが、その話を聞いても私は解決策を何も言いません。私は、ただ「ああ、そうだったんだね。それ、どう思ってるの?」と言います。お子さんの返しとしては、辛い、寂しい、自分はダメなんじゃないかと思う、みたいな感じが多いです。で、それに対しても私は「ああ、そうなんだ」です。そして、この塾でいま何ができるようになりたいかを聞いて「じゃあそれを一緒に頑張ろうか」と言って、普通に授業に戻ります。

つまり私がやるのは「受け止め」だけです。でも彼ら彼女らはそれだけで満足するんですね。受け止めてもらえた、分かってもらえた、だから頑張ろう、なんです。

私は、自発性がない子どもなんて居ないと思っています。結局、その子の悩みの「答え」は親が持っているのではなく、その子自身の中にちゃんとあるんです。それを、親の側が先に子どものほうに入り込んでしまうからいけないのだというのは、当時から感じていました。

3.子どもにどう見られたいかで、復帰先を選ぶのも良いよ

最後に、転職先の選び方の話を少し。

反抗期の子どもというのは、近い将来、受験に代表される新しいチャレンジや、パワーの掛かる選択を必ずしなければならなくなります。そのときに、親としてどういう姿を子どもに見せていたいですか?という話を、ご相談の場面で薬剤師さんによくしていました。

もう少し具体的に説明すると、例えば大学に行くときって、就職のことや、将来の仕事のことを色々と考えますよね。学校からは「将来の夢を持ちましょう」とか無茶なことを散々言われたりしているのもあって、その子なりに進路のことをすごく悩むんですよね。で、そのタイミングで初めて、今まで全く興味がなかった「親の仕事」に興味を持ち始めるんです。「そういえばお母さんって、薬剤師だったな……なんで薬剤師なんてやろうと思ったんだろう……」みたいな。

そしてそれをきっかけに色々と調べたり、話を聞いたりしているうちに「お母さんって凄い、私もそういう風になりたい!」と考えるようになる子が、必ず居るんです。このタイミングで親として子どもにしっかりと語れることがあると、子どもはすごく嬉しいんですよね。

例えば、いまお母さんが薬剤師として働いている、と。それもフツーの薬剤師じゃなくて、「在宅医療」とかっていう、いまの日本の医療業界で重要な課題と言われていることに果敢にチャレンジしているらしい。……そういうことを子どもが自分で思えたり、友だちに語れたりするというのは、子どもにとってはすごく誇らしいし、嬉しいことなんです。

で、この話を、子どもが反抗期で悩んでいる薬剤師さんに対してお伝えすると、もう……死ぬほど刺さるんですよ(笑) 鉄板です。当時、復職すべきか迷っている薬剤師さんにガンガンこの話をして、在宅のお仕事とかをバンバンご案内していたんですが、ほぼほぼ、転職が決まりましたね。

これは何も転職を決めたいがための方便なのではなくて、実際にそうなんです。「もっと子どもに誇れる仕事をしておけばよかった」と後悔をされる薬剤師さんって、けっこう居るんです。特に、40代前半くらいの方によくいらっしゃいました。仕事と家庭とのバランスを取ろうと思って、以前、パートなどのある程度ラクな仕事を選んだ。しかしいざ子どもと将来の話をするにあたって、自分自身がもっとチャレンジをしておけばもっと語れることが増えたのに……こういう感じで後悔をされるんです。

なのでこの話を出すと、鉄板で紹介が決まります。転職後の定着率も非常に高いです。で、入ったらだいたい、すごく活躍します。薬剤師さん自身にもものすごく感謝されます。「あの観点は私にはありませんでした。もしあのときご相談していなかったら、人生に後悔を残すところでした。本当にありがとうございました」って。アドバイザーとしてこんなに嬉しいことはないです。

まとめ

反抗期の子供との上手な接し方

  • 家に居ることも外に出ることも、バランスよく必要
  • 「受け止め」が心を開いてもらうコツ
  • 転職先は、子どもにどう見られたいかで選んでも良い

みんな良い子なんですよね、元は。

子どもは絶対そうだと思います。愛されたいし、愛されていると分かると嬉しいんですよ。良くも悪くも、親に依存している存在ですから。もちろん、ご相談者様のつい怒りたくなっちゃう気持ちも痛いほど分かるんですけど。

かくいう私も、反抗期はかなり親を困らせました。どのくらい困らせていたかと言うと、ドラマとかでよく、部屋の前にご飯を置いといてもらうみたいなやつあるじゃないですか。あれをリアルにやってもらってたレベルです。笑

特に高校生の頃は遊びたい盛りで、友達とカラオケだーボーリングだーって浮かれて、ろくに学校に行かなくて危うく留年しそうになったりしました……。高校生のくせに連絡もせずに夜10時台に帰ったり、「頼むから20時までには何でもいいから連絡をして」って言われていたのに、ひねくれて連絡しなかったり。それでいて親には「金よこせ」って言ったりして。

高校時代のおじさん

うん。最低でしたね。笑

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