転職ご相談事例
調剤薬局の薬剤師の初任給について。この数字って残業代込みなの? ボーナスって何?
- 安藤さん
- 24歳、男性
就活中の薬学生です。今のところ調剤薬局にしようかなと思って就活を進めています。
いろいろな企業の求人を見ていて思ったんですけど、たとえば「月収25万円~」って書いてあった場合、この金額が初任給になるんですよね? これって残業代も入っているんですか?
とくに残業代は別とか、別途支給とかは書かれていないので気になっています。もし残業代も込みなら、残業してもしなくても給料が変わらないことになるので、残業が多い調剤薬局を選ぶと損しますよね?だったら残業が多そうな薬局は避けたいなって思いまして。
あとボーナスについてもよく分かりません。「年収450万円」って書いてあったとしたら、これはボーナス込みの年収なんですか?それとも別にボーナスも貰えるんですか? 「賞与4か月分」とか書いてあるのも、よく意味が分かりません。これって月収25万円って書いてあったらボーナスが100万円貰えるって意味ですかね?
- ドラおじさん
- 薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら)
求人票の給与欄は、いわゆる固定残業代(みなし残業)が含まれている場合はそれを明記しなければいけないことになっています(厚生労働省の資料参照)。安藤さんが仰る「月収25万円〜」は、固定残業代に関する記載がないのであれば、残業代を含まない金額ということになります。
「みなし残業」というのは学生さんだと聞き馴染みがない言葉だと思います。詳しい解説は労働法の専門家のサイト等でご確認いただくと良いと思いますが、簡単に言うと、毎月一定時間分の残業代を「既に働いたもの」と見なしてあらかじめ月給に組み込んでおく制度のことです。
実際にどの求人が得かどうかは、1日あたり給与とか、1時間あたり給与を、賞与や残業代も含めた年収から割り出せば比較することができるので、勉強のために一度試してみると良いと思います。下記に計算式を書いてみました。式の中で求人票に載っていない項目は、人事に聞けば分かるので聞きましょう。
- 年収=(月給+月平均残業代)×12+賞与
- 1日あたり給与=年収÷(365−年間休日日数)
- 1時間あたり給与=1日あたり給与÷1日平均労働時間
なお上記の計算式だと、比較のために残業代を年収に入れていますが、求人票上に記載される年収は残業代を含まないので、注意してください。
薬局だと、月に20時間分の固定残業というのがよくあるパターンです。月20時間だと、およそ1日1時間分の残業代があらかじめ給与に組み込まれていることになります。
みなし残業代は、実際には残業をしなかった場合にも受け取れますから、その意味では働く側が得をする制度ではあります。しかし一方で、残業代未払い(いわゆるサービス残業)や、低賃金・長時間労働に繋がりやすいという負の側面も持ち合わせています。
あと、みなし残業代は求人票上の見かけの月給を高くできる常套手段なので、他の求人よりも明らかに月給が高い求人を見かけたら、みなし残業代が多く含まれていたり、年間休日日数が少なかったりする可能性を疑ってみて下さい。
ボーナスについては、仮に年収450万円と書いてあった場合はボーナス込みの数字になります。
「賞与4か月分」は、月給25万×4=100万円貰える、ではありません。これはよくある勘違いですが、一般的に賞与の計算式は「基本給×○ヶ月」です。違う計算式の場合もあるので、これも人事に聞いてみて下さい。
- ひかり
- 都内のドラッグストアで働いていた薬剤師。現在は九州でのんびり暮らしています。現在は現場を離れ、ライターふくめいろいろな仕事にチャレンジ中。
お金のことって気になるけど、なかなか周りの友人には聞きづらいこともありますよね~。私も就活のときは「賞与の○か月分ってどういう意味?」「月収しか書いてないけど、年収はいくらなのよ??」って悩んでいたなぁ。募集要項って、もうちょっと分かりやすく書いてくれたら嬉しいんですけどね…!
まず月収に残業代も入っているのかって質問ですが、こちらは調剤薬局によります。私が知っている限りだとほとんどの薬局は月収と残業代は別ですよ。なので「求人に書かれている月収+残業代」を合わせた金額が手元に入ってくることになります。
ただし!お給料って社会保険料とか年金とか(2年目からは住民税も)なんやらかんやら引かれた金額が手元に振り込まれるので、まるまる貰えるわけじゃないのは気をつけてくださいね!
私も多少は引かれることが分かっていたんですが、毎月8万円くらい引かれている明細を見て「えっっっっ!引かれすぎじゃない?ぼったくられてるんじゃ…」って思ったのを覚えています(笑)
それから月収25万円って書いてあっても、初任給はおそらくこの金額より低いはずです…!というのも入社してすぐのころはまだ薬剤師として正式に登録されている状態ではないので、薬剤師手当がつかないことが多いんです。
月収ってだいたい基本給に薬剤師手当とか地域手当とかいろいろな手当がついた数字なので、最初の2か月くらいは正規の金額より少なくなりますよ。
私が新卒で入ったところは月収32万円って書いてあったけど、薬剤師手当の9万円が最初は入らなかったので、手取りは20万円を切っていました。ちゃんと薬剤師手当も含めたお給料が振り込まれるようになったのは、たしか6月の給料からだったかな。
それからボーナスは、年収が掲載されているならボーナスも含んだ数字になっていることがほとんどです!年収450万円って書いてあるなら、ボーナスも入れてこの年収ってことですね。
ちなみに賞与○か月分っていうのは、月収じゃなくて「基本給×○か月分」って意味なので注意。いや~私も就活していた当初は月収をそのままかけ算した数字がボーナスになると思っていたんですけど、どうやら違ったみたいで(汗)
たとえば月収25万円のうち基本給が15万円、薬剤師手当が10万円だとします。この条件で賞与4か月分って書いてあったら15×4で60万円貰える計算です。年2回の支給なら1回あたりに支給されるボーナスは30万円ですね。
- 最終更新日:2020年7月28日
- カテゴリー:転職ご相談事例
- タグ:薬剤師になりたい学生