転職ご相談事例
MRの仕事がうまくいかず拘束時間も長いので、薬剤師に転職したい。
- 田所あんずさん
- 26歳、女性
はじめまして。入社2年目でMRをしている田所です。
MRの仕事は、激務ではあるけれども高収入が見込めると思っていました。しかし、思ったよりも拘束時間が長いにも関わらず、収入がそれに見合っていません。先輩には怒られてばかりですし、同期ともしっくりきません。ドクターや医療関係者に対しても、細かいところまで気遣いが必要で疲れちゃいます。
しかも帰宅がかなり遅くなるので、彼氏との時間をきちんと確保することができなくて、どうして働いてるのか意味が分からなくなってきました…。正直、仕事に対するモチベーションがどんどん低下していってます。
今後の生活やキャリアを考えると、「MRよりも薬剤師の方が良い」と考えるようになりました。でも、生活のレベルを落としたくないし、旅行もしたいし、彼氏との結婚を考えたら貯金もしておきたいです。だから、なるべく待遇が良い地方の薬剤師が良いなって思っています。こういうのって甘い考えですかね?
MRをしていた経験や知識を活かせなくても良いです。プライベートも、収入もしっかり確保することができる仕事を教えてください。それと、もしわかれば、MRから薬剤師に転職する方って多いのか知りたいです。よろしくお願いいたします。
- ドラおじさん
- 薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら)
お問い合わせありがとうございます。ドラおじさんです。
田所さんのように、MRでは仕事と収入のバランスがとれずに、転職される方は多いんです。だから、あまりご自身を責めないでくださいね。
MRから薬剤師になりたいって方は結構多いです。元MRをターゲットにして採用している会社様もいらっしゃいますし。全体数としては分かりませんが、1~2割くらいじゃないでしょうか。MRは中途採用に積極的ですが、新卒で入社して合わなくて出ちゃう方が多いんですよ。
薬剤師になった後、MRに戻りたいという方は少ないと思います。薬剤師になる時に、年収はおそらく半減するわけですよね。それでも転職に踏み切った訳なので…。
MRの仕事自体は、どこも激務という訳ではないですが、総じてストレスが掛かる大変な仕事だと思います。誤解を恐れずに言えば「愛嬌を最大限に発揮し、努力し続けられる体育会系」の方にピッタリなお仕事といっても過言ではないです。この仕事の良さは、年収が高くて、扱っている製品が強いうえに新規の飛び込み営業などがないところですね。
デメリットとしては、時間拘束が長い点や医師との接触が精神的に負担になる点ではないでしょうか。それに加えて、「MRを辞めた後にどんな仕事に就くか」という問題もあります。MRをやっていた方は、キャリアのつながりが見えづらいんです。それはデメリットではないでしょうか。でも、自分が導入支援をした薬で人が救われるのは、やりがいを感じることができると思いますよ。
ちなみに、MRの経験を活かせる転職先は、ルート営業や薬剤より高価格な不動産営業などです。あと、MRの職能ってドクターコミュニケーションなので、医療機器の営業やドクターの斡旋、医療系のM&Aや経営コンサルタントなども親和性が高いと思います。
転職の流れは以下のような形が良いのかなと思います。
■ご提案(転職の流れ)
1)紹介会社に複数登録し電話面談を実施
※急に見知らぬ番号から電話がきます。取れなかった際は折り返してあげてください。
2)”希望が叶う”求人を紹介してもらう
3 )興味のある求人に応募してみる
まずは、リクナビやマイナビなどの大手紹介会社に登録して電話面談を行ってみてください。その際、希望として「可能な限り現年収◯◯万円を維持したい」と伝えるのを忘れずに。
私にも求人を共有してもらえれば、「明らかにここは希望が叶わない」「ここは今後の昇給も良い」「ここは元MRの方も多い」など、情報を提供させていただけると思います。
- M先生
- 精神科医。地方都市の病院勤務。(詳細はこちらのページで)
はじめまして。MRの業務がつらい割に給料も満足できず、薬剤師への転職を考えているというご相談ですね。日頃MRさんとよく接している医師としては、やや頭が痛いご相談ですね…。
医師との接触は細かな気遣いが必要で、精神的な疲労が多いだろうと思います。確かに、以前ほどの接待攻勢はなくなりましたよね。けれども、医師の専門分野に関する知識、他社の同効薬と比較しての自社薬との利点といった専門的な知識に加えて、医師の趣味、機嫌、忙しさなどを考慮しながら営業活動をする…。考えただけでも気が滅入りそうになります。その上、薬剤の使用の決定権は医師しかないため、どうしてもMRさんはへりくだるようになってしまい、心が休まらないですよね。
それに対してチーム医療がうたわれている現場では、薬剤師はチームの一員として、医師とも対等な関係で、場合によっては意見を述べたりすることも必要で、これまでと大きく違った関係性が求められます。最初は慣れない関係にストレスを感じるかもしれませんが、徐々に適応し、ストレスは減っていくと思います。薬剤師として働くうえで、現在田所さんが担当している、薬剤に関する知識は大きな武器になると思います。他社薬との比較も含めて、しっかりと勉強しておくと良いでしょう。
地方勤務については、地方だからこその特殊性もありますので、よくよく考えてください。あまり今の地域から離れない方が、その地方の医療についての理解もあるため、働きやすいかもしれません。
転職活動がうまくいくことを祈っています。
- 最終更新日:2020年6月24日
- カテゴリー:転職ご相談事例
- タグ:20代女性薬剤師, ドラッグストアへの転職, 調剤薬局への転職