本当です。

おもに新卒採用の影響ですが、35歳限界説というのは、特に薬剤師がみな入りたがるような大手に関してはその通りですね。

この年齢の話は、ちょうど最近コロナの影響でアップデートされているんですが、元々すこし前からそういう風潮はあって、年齢が若くて良い薬剤師を採りたいというニーズが大手はどんどん強くなってきていたんですが、それがコロナの影響で一気に定着したという印象です。

「やっぱり若くないと吸収できないよね」という話なんですが、5〜6万近くある店舗が半分ぐらいに減ると言われている中で、薬局も生き残りに必死なので、患者さんに対して良いサービスができるかどうかが勝負になってくる、と。そして社員の教育とか、おもてなしの独自性とかを各社、出そうとしているわけなんですが、その中でそういう話について来れない人、患者目線がない人は採用しちゃいけないよね、というのが、いまの薬剤師人材業界の主流です。

そして佳世子さんの場合、ご年齢に加えてさらに悪い条件が2つもあります。

1つは、結婚を控えているということです。仮にそれを採用担当者が聞いて思うことは「入社して1〜2年で子どもを産みそう」これです。だから居てもらっても困るんですよ、戦力にならないから。であれば半年待って新卒を採ればいいや、になっちゃいます。ちなみに紹介会社の現場だと、「結婚予定のある人は紹介しないでくれ」「新婚は要らない」みたいなことをクライアントから普通に言われます。

これ、本当はダメなんですよ。私も最悪だと思っています。でも、現実問題そうなっているんです。

もう1つまずいのが、病院勤務ということです。ご存知でない薬剤師の方が多いのですが、病院経験というのは、薬局への転職においては評価されないことのほうが多いのです。体感では、10の薬局があったとしたら8くらいは評価してくれません。評価してくれるのは、ドクターとの応対とか、多職種連携のスキルを評価する、在宅をかなりがっつりやっている薬局くらいです。それ以外の薬局は基本的に評価しないですし、むしろ薬局出身の候補者と比べてマイナスだったりします。患者応対に不安が残るからです。

「調剤経験」っていう言葉、あるじゃないですか。大手薬局の人事のなかで、この言葉に「病院の経験」って入らないですからね。

なので佳世子さんは、客観的に見てかなり厳しい求職者の方だと言わざるを得ません。したがって懸念されている通り、転職活動はなるべく早く、というか今すぐ始めたほうが良いです。この場合、結婚を控えているという話は書類や面接などでも特に出す必要がないので、出されないようにしたほうが良いです。

「就活の面接で落とされたという話を聞いたことがない」というのは、当たり前ですね。だって、どこの会社も薬剤師は新卒が欲しいわけなので。中途とは全く状況が異なります。大手薬局の中途採用では、10人面接して1人しか採用しない、みたいなのが普通にありますから。