転職ご相談事例

病院8年目、医師に「門前薬局をやってほしい」と頼まれた。開業してみたいが大丈夫か?

こいちゃんさん
32歳、男性

現在病院薬剤師として働いています。32歳で勤務8年目、職場では後輩の指導を任されるようになりました。

現在の職場は大規模な病院ではありますが、人間関係も良く特に不満はありません。
救急対応もしているので、たまに夜勤がありますが、その分収入が増えるのでうれしいです。

先日、懇意させて頂いている外科の勤務医の先生から、「開業するので門前薬局をやって欲しい」というお話を頂きました。処方せんの枚数は1日100枚くらいの見込みだそうです。

開業した方が金銭的には潤うと思うのですが、実際開業するとどのくらい収入が上がるのでしょうか?

将来的に結婚したいと思う彼女がいるので、独身のうちに稼げるだけ稼いでおきたいと思いますし、収入が上がるのであれば頑張りたいという気持ちがあります。

けれども、大手チェーン店が調剤薬局を併設しているケースが多く、さらに在宅医療へのシフトが進んでいますよね。そんな中で個人経営の薬局を経営するのは、やはり難しいものですか?

メリットやデメリットを理解した上で、しっかりと考えて検討したいと思います。率直なご意見をお聞かせください。

どうぞよろしくお願いいたします。

ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザーで、薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(実在の人物です。ドラおじさんの詳細はこちら

お問い合わせいただきありがとうございます。ドラおじさんです。

今回の独立の件ですが、処方せんが来る間は安泰だと思います。ざっくりした概算になりますが、年商1.7億〜2.5億程度になるのでは。

もし本当に独立するのであれば、売上予測や経費予測をきちんと行ってから独立してください。独立開業相談会社がありますので、複数に問い合わせていただくと良いと思います。

独立開業に必要なのは、売上を作り利益を生み出す「経営スキル」です。経理などは外注することができますが、経営能力を磨く必要があります。

独立のメリットは何といっても「とにかく自由」という点ではないでしょうか。

自分が社長なので自由度は格段に増しますし、お金も時間も自身の裁量でなんとでもなります。その他にもたくさんありますが、割愛させていただきますね。独立している方などに聞くと、山のように出てくると思います。

独立のデメリットは、「業績をコントロールしにくい」という点が一番に挙げられます。

今回はクリニックマンツーでの開業だと思います。となると、医師が亡くなると処方箋が来なくなるので、売り上げがなくなってしまいます。医師が休業したりケガで病院を開けられない場合も同様です。

40歳とお若い医師なので問題ないかとは思いますが、門前薬局というのはその医師に100%依存するビジネスであることをご理解ください。

また、調剤薬局は国の制度次第で利益減少し、改定のたびに利益が減少する見込みです。診療報酬次第で業績が変わってしまうのもデメリットのひとつです。実際に2016年度は身売りする個人薬局が非常に多くありました。

また、国の方針としても明示されていますが、薬局は減っていくシナリオになっており、業界では「5.5万あった薬局を4万程度に減らす目論見がある」といわれています。

さらに、もし売上がなくなると経費だけがかかり、すぐさま赤字になるのもデメリットといえるでしょう。在宅案件をコツコツ獲得してたり、仕入れコストを安くしたりするなど、自身の努力でコントロールできる部分もあります。在宅はこれから点数が上がる見込みなので、在宅だけで業績を形成する薬局も出てくると思います。

もし、稼ぎたい額が年間で1,000万程度なのであれば、開業をせずサラリーマンでも十分可能です。大手調剤薬局のエリアマネージャーレベルで、年収1,000万円を確保することができます。そして、年収2000万を目指したいということであれば開業が良いと思います。

開業にはいろいろな壁があるので、よほどのことがない限り勧めておりません。けれども、こいちゃんさんのように、若い医師とのコネがある場合、現実味があると思います。
以下の記事に開業について書いてありますので、是非こちらもご一読ください。

薬局を開業するのってどうなの? 理想と現実を転職のプロに聞いてみた

参考にしていただけますと幸いです。

M先生
精神科医。地方都市の病院勤務。(詳細はこちらのページで)

はじめまして。
「外科医の開業に伴い門前薬局を開いてほしいと言われたがどうすべきか」というご質問ですね。開業医ではありませんが、門前薬局さんともお付き合いがありますので、医師の立場からアドバイスをさせていただきます。

医師から見ると、門前薬局は便利な反面、複数の薬局から処方箋が発行されることとなり、薬剤の管理が非常に煩雑になります。

国の方針としても、「かかりつけ薬局」のシステム整備が急務とされています。しかし、なかなかうまくいっていないというのが現実です。

開業される先生は外科ということですが、一般外科医が開業してもできる処置は限られています。特に、高血圧・糖尿病などの生活習慣病の管理においては内科医に大きくひけをとってしまいます。

また、高齢者においては、併用注意・併用禁忌、肝機能・腎機能などに気をつけなければならない薬剤が少なくないため、普段病棟業務に慣れていないベテランの外科医では、そのあたりの知識が足りていないかもしれません。

病院薬局であればそのあたりの管理もしっかりとできていますが、クリニックとなると門前薬局ですべてそれを行うのは難しいかもしれません。かといって、明らかに不適切な処方を見逃してしまうと訴訟にも発展する可能性もあります。

開業される外科医の先生の一般的な医学知識がどれほどかわかりませんが、くれぐれも慎重に判断された方が無難かと思います。

最終更新日:2019年5月31日
カテゴリー:転職ご相談事例

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