転職ご相談事例

薬剤師が時短勤務OKの職場に転職するのって、難しいの? 転職のプロに聞いてみた

こんにちは! 薬剤師のみどりです。

あなたは、時短勤務で転職を考えたときに、希望に合った転職先がなかなか見つからなくて困った経験はありませんか?

薬剤師の転職事情に詳しいプロのアドバイザー・ドラおじさんのもとにも「子供の夏休みの都合で、平日の午前中だけ働きたいんですけど……」というご相談がきています。これ実は、小学生のお子さんを持つ薬剤師さんから多く寄せられる、典型的なお悩みだそうでして。

ドラおじさんなら、どう答えるのか? 詳しく聞いてみましょう!

登場人物紹介

ドラおじさん
薬剤師専門の大手人材紹介会社に勤務していたアドバイザー。薬剤師転職のプロ。見た目はメタボだけど仕事はめちゃくちゃ頼りになるおじさん。(ドラおじさんの詳細はこちら
みどり
当サイトのナビゲーターで、都内の製薬会社でDI・学術担当として従事している設定の薬剤師。中の人は薬剤師が監修してます。全国の悩める薬剤師たちを代表して、きわどい質問をドラおじさんにバンバンぶつけていきます!

今回から新コーナーですね。このコーナーでは、過去にドラおじさん宛にいただいた薬剤師さんからのキャリアご相談のなかから、これは! というものをピックアップしてお届けしていきます。

いつも本当にありがとうございます……。こちらではなるべく、他にも悩んでいる薬剤師さんが多そうなお悩みから、優先的に取り上げていこうと思います。

ちなみに、内容は適当に改変していますので、これからご相談を検討されている方も、こちらから安心して送って下さいね〜!

マリさんマリさん
39歳、女性

小学3年生の子どもがいるマリと申します。

子どもが、夏休み直前に「誰もいない家に帰るのは嫌だ!」と言うようになりまして、急遽職場に相談するも、条件が折り合わず退職となり、現在求職中の身です。

子どもが学校に行っている間と、長期休みの場合を考え、「週2・3日、平日9〜14時で勤務」という希望で転職サイトに登録していましたところ、「週5日勤務していただければ、平日は14時まで勤務でOK」とオファーをいただきました。

週2・3日での勤務を希望する旨を改めてコンサルタントさんに伝えたところ、「くわしい勤務条件は働き始めてから相談すれば良い、まずは面接してみよう」「最初から、自分の希望条件をあれこれ言わないほうがいい」と言われてしまいました。

しかし現実的に週5日は厳しく、困っています。もう面接の予定も入れられてしまったのですが……このままコンサルタントさんの言葉を真に受けて、面接へ行ってもいいのでしょうか?

1.人気の求人案件で “とりあえず面接” は、よくある

ということなんですが……どうですかね。マリさんは、コンサルタントのアドバイスに従って大丈夫なんでしょうか? 

そうですね。判断が難しいんですが、今回のような相談がきたら、私でも同じように「いったん面接を受けてみましょう」と言うと思います。

えっ、そうなんですか? このコンサルタント、マリさんを手持ちの求人に無理やり押し込もうとしているようにも見えますけど。

まあその可能性もありますけど、実は、平日の午前中だけ働きたいという条件は、競争が厳しいんですよ。同じ条件で希望している薬剤師さんが、他にもたくさん居るので。

へぇ〜、そうなんですね。狭き門なんだ。

はい。なので、いきなり「夏休み中は午前中の週2・3日しか働けません」って言い切られちゃうと、最初の面接すら受けさせてくれる先が無いことが多いんです。

でもマリさんは「週5日」という条件でオファーを貰っているわけですよね。なのに、面接で「週2・3日が良いです」って言うのは、ちょっとおかしくないですか?

おかしいですけど、別に良いんですよ。こういう場合どうするかというと、時短で募集をかけているわけではない企業の面接を受けていって、時短を認めてもらえるように面接の場で採用担当を説得するんです。

え〜? そんなことが本当にできるんですかぁ〜?

まあ正直、かなり難しいですけどね。できるときもあります。要は「本当は嫌だけどこの人なら時短でも採りたい」と思ってもらえるように、面接対策をするってことです。

そうなんだ……。あの、面接対策って具体的にどうやるんですか?

えっとですね、今回のケースに限った話ではないんですが、コンサルタントはまず面接のセッティングの時点で、薬剤師さんの売り込みを行うんですよ。「この人、めっちゃいい人ですよ」っていう。

今回のようにマッチングが難しそうなケースでは、その売り込みをより丁寧に行うことになります。

で、その後の面接では、コンサルタントの説明が本当かどうかを確かめられるわけですから、薬剤師さんと一緒にその裏付けとなるようなトークを事前に準備しておいて、面接の場でちゃんと話せるようにしっかり練習します。

そして恐らく面接の最後のほうで、勤務条件の確認をされるはずですから、そのときに申し訳無さそうな感じで時短のこととか、本当は週2・3日が良いというようなことを伝えてもらえばオッケーです。

うわぁ……なんかおじさん、悪い人みたいですね。

いや、あの、これが仕事ですから……。

でも確かにそのやり方で進めれば、なんとなくうまく行きやすい気がする!

そうです。受かるという保証はできませんけど、受かる確率を上げることはできるんですよ。なので今回のケースでは、一旦、コンサルタントの勧めに応じて面接を受けてみたほうが良いと思います。

2.希望を曲げて無理やり転職しても、良いことないよ

ただですね、「くわしい勤務条件は働き始めてから相談すれば良い」これはダメですね。絶対ダメ。働き始めてからでは遅すぎます。

希望の勤務条件は、面接の場できちんと伝えるようにしましょう。

まぁ……そうですよね、常識的に考えて。笑

でもどうして、コンサルタントの人はこんなこと言ったんですかね。やっぱり、自分の数字が欲しかったから、とかですか?

いや、おそらく「このまま転職できないんじゃ何も始まらないので、多少無理をして、取り繕ってでも一旦転職しておいたほうが良い」という発想をしたんじゃないですかね。

なるほど。どうなんですか? それ。おじさん的には。

私はオススメしませんね。希望を曲げて無理やり転職しても、また嫌になって同じように転職活動をするハメになるだけです。

そうかぁ……でもおじさん、私思うんですけど、このコンサルタントが言っていることも一理あると思うんですよ。

というと?

転職って、自分の希望が100%全部叶うことなんて無いじゃないですか。だからこのコンサルタントは「そんなワガママばっかり言ってたら転職なんて絶対無理だから、多少曲げろや!」って言いたかったんじゃないかと思うんですよね。

これって、どうですか?

希望が100%叶うことは無いというのはその通りですが、大事なのは、そのときに何を捨てるか? っていうことなんですよ。

そもそも、どうして転職をするのか? を考えてみて下さい。ほとんどの場合、いま勤めている薬局なり何なりで、変えたくても変えられない何かがあるから、転職をするわけですよね。

そうですね。今回のケースで言うと、勤務日数と勤務時間が「変えられないもの」に当たるんですかね。

はい。これ、逆を言えば、勤務日数と勤務時間以外のものであれば、ある程度は妥協できるってことですよね。

例えば、給料とか、仕事内容とか。他の薬剤師さんよりも時給が200円くらい安くても良いです! 雑用でもなんでもやりますから! とか。こういう人だったら、採用担当者もちょっと惹かれると思いませんか?

確かに。逆に、採用が決まったあとで「週2・3日が良いんですけど」って言われても、なんでそれ先に言わないんだよ……ってなりますよね。

そうです。そうなると、場合によってはまたイチから転職活動をやり直さなくてはいけませんよね。貴重な時間と労力がムダになります。

希望が100%叶うことはまずありませんが、ちゃんと納得感のある取捨選択をして転職をしないと、結果的に自分を苦しめることになりますよ。

うーん、そうするとこの場合、おじさんだったらどう支援するんですか?

そうですね……まずマリさんには、前もって「1〜2ヶ月かけてじっくり探す形になりますけど、良いですか?」っていう話をします。その後、さきほどの説明のとおり面接をいくつか受けてもらいます。

ただ、おそらく難しいと思うので。面接がなかなか受からない場合は、もっと時間に融通が効く「派遣薬剤師」としてしばらく働いてみるのはどうですか? という提案をすると思いますね。

まとめ

厳しい条件での転職のポイント

  • コンサルの勧めに応じて、面接は広く受けよう
  • 譲れない希望条件を曲げて転職するのは、絶対やめよう
  • 転職活動が長引くことを覚悟しよう

ありがとうございました! いや〜、私も子どもができたら同じ感じで悩むんだろうなぁ〜……。

最後に1つ付け加えておくと、今回のような厳しい条件での転職の場合、コンサルタントの負荷が増えるので、ちゃんと親身になって対応してくれるコンサルタントを見つけることが特に重要になります。

キャリアコンサルタントの見極め方については、過去の記事でも説明していますので、ぜひご一読いただければと思います。

また、うまいこと繋げましたね。笑

その煽りやめてもらっていいですか……。

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