認可外保活のススメ – どうすれば保活を「運任せ」にせずに済むのか

公開:18/11/12 更新:18/11/12

認可外保活のススメ – どうすれば保活を「運任せ」にせずに済むのか

認可外保育園

こんにちは。yuyanです。

さて、いま保活をされている方の中で「認可が落ちたときの保険として認可外の保活も進めておこう」と考えている方、いらっしゃるかと思います。

しかし、認可外の保活については認可と違ってネット上にまとまった情報が少なく、また「施設長に熱心な手紙を書かないと受からない」「併願でも単願と嘘をつかないと受からない」といった、真偽が不確かな情報も多いのが現状です。このような状況のなか、認可外の保活をどのように進めれば良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか?

そこで今回、都内で活動している下記2名の保活の専門家に取材をおこない、激戦区で認可外保育施設から確度高く入所枠を獲得する方法について、詳しく話を聞いてきました。

 

取材を行った専門家の紹介

風間ゆたかさん

風間ゆたかさん

世田谷区議会議員・世田谷立憲民主党社民党幹事長。ベネッセ1期生、教育ベンチャー経営などを経て、現職。2007年の初当選から10年以上、区民からの保活相談に乗り続けている、世田谷区保活のスペシャリスト。
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長岡美恵さん

長岡美恵さん

一般社団法人ソーシャル・エンパワメント代表理事。保育士。シンクタンク、ボストン・コンサルティング・グループを経て2014年より現職。保育園の運営経験も踏まえ、保活アドバイザリーサービスやセミナー等を通じて個人・法人向けの保活支援を行っている。
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おふたりともお子様が待機児童になってしまったご経験をお持ちであり、そのご経験をベースとして保育関連の活動を精力的に行われている方です。

本記事は、都市部で1人目の子どもを保育施設に預けたいと考えている共働きのご家庭を念頭に置いて作成しています。特に、保活の失敗によって父母どちらかが離職せざるを得なくなるような事態をどうしても避けたいという方に、この内容をお役立ていただければ幸いです。

目次

この記事を執筆した理由

保活を「運任せ」にしないために

僕は、いま東京都渋谷区で自営業を営んでいる32歳の男です。家族構成は僕、妻、息子4歳、娘2歳の計4人で、妻はフルタイムの会社員という、よくある構成の世帯です。保活はこれまで計3回行っており、結果としてはどれも認可に受かっています。(息子のさいたま市0歳4月 → 息子の渋谷区1歳4月 → 娘の渋谷区0歳4月)

しかし今振り返ってみると、3回のうち1回目と2回目では、認可に落ちる可能性が十分にありました。特に2回目、息子の渋谷区1歳4月入園(2016年度)は、渋谷区の入園決定率が47.0%と、ちょうど東京都内で最低の数値を叩き出していたタイミングでした。しかも僕は過去3回とも、押さえの認可外保活をほとんど行っていませんでした。

この状況で現在、我が家が当たり前のように仕事と育児を両立できているのは、ただ単に運が良かったからだと今は思っています。そのような事情もあって、どうすれば「運任せ」ではない形で離職リスクを回避できたのか?その答え合わせをいつかどこかできちんとしておきたいという想いが、保活が一段落した後でもずっと残っていました。

上記の問いの答えに当たるのが本記事の内容であり、それが今回この記事を作成した主な理由になります。

また、弊社がお客様としている薬剤師さんたちへのキャリア支援の一環として、保活関連のご相談を頂いたときにきちんとアドバイスができるようにしておきたいと考えたのも、この記事を書いた理由の1つです。(もちろん当サイトのプロモーションの一環でもあるわけですが、その点はご容赦いただけますと幸いですw)

※注: 入園決定率とは、任意団体「保育園を考える親の会」が毎年調査・公表している、認可の合格率に相当する数字のことです。待機児童の多い主要100市区が調査対象となっています。2016年の主要市区平均は72.8%、直近の2018年は76.1%でした。この数値は、同団体が発行している「100都市保育力充実度チェック」にて確認できます。

認可外保活の基本

認可外保育施設の分類

認可外と一口に言っても、そのタイプは様々です。東京にお住まいの方だと、多くの方が認可の次に検討されるのは「認証保育所」ではないかと思いますが、実際には検討可能な認可外の預け先が認証以外にも存在することをまず覚えておきましょう。

具体的には、下記3つの分類で預け先の検討候補が存在します。

  1. 地方単独事業
    • 認証保育所
    • 保育室
    • 保育ママ
  2. 企業主導型保育
  3. その他認可外
    • ベビーホテル
    • 託児所
    • プリスクール
    • ベビーシッター

このうち、3「その他認可外」は自治体等から助成を受けていないため、保育料か保育の質のどちらかを犠牲にせざるを得ないケースが大半です。したがって、保活の初期の段階で検討候補になるのは通常は1か2になります。

ただいずれにせよ、まずは各自治体の保育課などの窓口に相談に行って、その自治体内に存在する認可外の概要を説明してもらうことを強くおすすめします。

上記は非常に分かりづらく、また分類、名称、申込方法などについても自治体によって異なっていたりするので、自分で調べても最初から混乱して時間を無駄にするだけです。保育課は認可の保活でどうせ嫌というほど行くことになりますから、ついでに認可外についても相談しておきましょう。

認可外の入所申込のしかた

認可外施設への入所申込は、多くは認可のように役所に申し込むのではなく、各施設に直接申し込むことになっています。

しかし、大抵は申込をしてもすぐに入れるわけではありません。例えば、認可の一次選考に落ちた2月のタイミングで慌てて認可外の預け先を探しても、一般的な入所時期である4月に間に合うことはごく稀です。認可外の保活は認可と同時期、あるいはもっと早いタイミングで行う必要があるのです。

また、保険として事前に認可外に申込をしておいた方が良いことは知っていても、必要な申込数や申込時期を見誤っていたために、認可外も全部落ちてしまい、保険として用を成さなかったというケースも見受けられます(2016年東京・1人目1歳入所申込の事例)。

すると、ではどのタイミングで何施設申し込めば良いのか?という疑問が湧いてきますね。申込時期はどれくらい早ければ良いのか、そもそも早ければ早いほど良いものなのか、どこまで早くできるものなのか。また申込数についても、多いほうが良いのはすぐに想像がつきますが、たとえば数十施設も見学等をこなしていたら普通は身が持ちませんから、おそらく現実的なラインがあるのだろうと推測されます。

また、ある程度調査を進めていると、真偽が怪しい情報もいろいろとキャッチするようになってきます。冒頭で書いた「施設長に熱心な手紙を書かないと受からない」「併願でも単願と嘘をつかないと受からない」がまさにそれです。これらは果たして本当なのか?選考の裏側はどうなっているのか?こういった疑問が湧いてきます。

今回、このように事前調査の過程で僕が疑問に思ったことを、保活の専門家である風間さんと長岡さんに全部ぶつけて回答を得てきました。

以降はQ&A形式でお送りしますが、風間さんと長岡さんは同じことを主張している箇所もあれば、少し食い違う主張をしている箇所もあります。それぞれに根拠があるので、それを踏まえてお読みください。

Q1.いつまでに申込すれば良いか

――認可外の申込は、いつ頃までにしておくのが良いのでしょうか?

風間さん: 2年ほど前までは、世田谷区のご相談者様に対して、4月から7月までの間に認証にエントリーすることを推奨していました。現在は、2年前と比較すると競争が落ち着いてきており、保活相談の件数自体も減ってきています。なので、時期を問わずエントリーするようご案内をしています。

しかし認証は自治体によって数にばらつきがあるため、待機児童が多く認証が少ない自治体では、早いうちから認証にアプローチしていく必要があるかと思います。そのような自治体では、認証保育所に入れるチャンスが4月に限られる為、そのチャンスの1年前の4月〜7月にエントリーをしておくのが良いということになります。

長岡さん: 認可外に限らず、保活を始める時期については、早ければ早いほど選択肢が増えます。

ただ、4月に関しては年度の入れ替わりのタイミングでもあるため、認可外は施設内が相当バタバタしており、見学や申込の受付どころでないという理由で断られることもあります。また、4月であれば必ず空いているかというとそうでもなく、前年から持ち越されたウェイティングリストによって既に必要数が埋まってしまい、申込を受け付けていないケースもあります。

なお認可外は認可とは違い、4月入所でないと無理という感じではありません。通年で出入りがあります。ただ、やはり一番入りやすいのは4月のタイミングです。認証保育所は特に、認可に近い感じになります。

※筆者注: ウェイティングリストとは、認可外施設で管理されている申込者リストのことです。認可外施設に電話確認をすると、その時点での申込者数を教えてくれる場合があり、その施設での合格率を推定するのに役立てることができます。

ちなみに、このリストの大半は認可に受かったり、別の認可外に受かったりすることで申し込みをキャンセルします。従って、既存の申込者数が膨大だった場合でも希望を捨てず、冷静に申込を検討することが非常に大事です。

 

――申込は、出産前からでも可能だと聞きました。本当でしょうか?

風間さん: 出産前からの申込は、認証保育所によってできるところと、できないところがあります。多くの認証保育所では通年で申し込みができますから、妊娠して出産予定日を把握した後いつでも、預けようと考えた時に申し込むのがベストと言えます。

長岡さん: 出産前、出産後ということはあまりこだわる必要はなく、単に「早いほど良い」とご理解いただければ良いかと思います。出産前から見学や申込が可能な施設と、そうでない施設は、電話問い合わせをすれば分かるので、それに応じて対応を検討することになります。数年前と比較すると、出産前の対応が可能な施設は徐々に増えていると思います。

Q2.何施設、申込すれば安心か

――認可外の申込は、何施設くらいしておけば安心なのでしょうか?

風間さん: 以前は、前述のとおり4月〜7月の間に、10施設ほど認証にエントリーすることを推奨していました。現在は世田谷区の認証保育所も入りやすくなってきたので、時期を問わず、5施設ほどエントリーしておけば安心できるのでは?とご案内をしています。

しかし認証激戦自治体では、もっとエントリーしておかないとどこにも入れなくなるケースも考えられます。認可外保育施設は、居住条件なく申込可能という所が多いです。近くに認証などが少ないエリアにお住まいの方は、必要に応じて「越境」や、勤務地近辺の施設への申込も検討されると良いと思います。

長岡さん: 申込施設数の目安は、一概に言えるものではありません。例えば、何が何でも職場に戻りたい、預けられればどこでも良い!という話であれば、多いに越したことはないという話になりますが、どこまでやれば大丈夫か?というのはケースバイケースです。実際のカウンセリングにおいても、いつまでに職場復帰したいのか、その必須度合い、どの程度遠くまで通所可能か、保育の質にどこまでこだわるか、その地域がどの程度競争が激しいか、等によってお伝えする内容は変えています。

なお、例えば申込をしたい施設が10施設ある場合、その10施設全部が申込可能なわけではありません。「申込多数で締め切った」などの理由で、申込すらできないこともありますし、申込時期が遅くなればその確率も上がります。ですので、問合せの母数は想定している申込数よりも大きく取っておく必要があることに注意してください。

※筆者注: 「越境」とは、申込時点で居住していない自治体の保育施設に入所申込することの通称です。自治体にもよりますが、認可の選考では基本的に申込時点でその自治体に在住している世帯が優先されます。従って、認可の保活において越境をはじめに検討するケースは少ないと考えられます。

しかし認可外には逆にこの縛りがない施設が多いので、保活を行う上での選択肢として越境が検討できることになります。勤務地周辺の施設に申し込むのはその代表的な例です。

Q3.認可外保活で有利になる方法

――認可外の選考は、どのように行われているのでしょうか? いくつか異なる方式で行われていると聞いています。また、それぞれの選考で有利になる方法があれば併せて伺いたいです。

長岡さん: 認可外の選考の方法は、先着順、抽選、独自基準。この3つです。独自基準というのは、要は通常の選考で、書類や面談の内容を見て総合的に判断するやり方です。多いのは先着順と抽選です。独自基準は全体の1割程度ではないかと思います。先着順と抽選では、先着順のほうが多いのではと感じます。

先着順と抽選の選考は、機械的に行われます。先着順ではなるべく早く申し込むしかなく、抽選では特に有効な方法は有りません。独自基準のほうは、施設ごとに多様な軸があるので、一概に言えません。

風間さん: 年度の前半に申し込んだ家庭が必ず入れているわけではありませんが、年度の後半に申し込んだ人よりも内定が出た確率は高いと感じています。後半に申し込んだ人でも、複数内定を獲得した方もいるので、保護者の人柄なども関係があるのかもしれません。

 

――先着順の場合、申込はどこまで早くできるのでしょうか? 他のメディアでは「着床したら保活」という表現も見られますが、妊娠がわかった時点でもう申込ができたりするのでしょうか?

長岡さん: 入所1年以上前から申込受付ができるという施設は、あまり無いと思います。申込受付は、多くは前年の4月からです。妊娠したらすぐ、というほど早く申し込みたいという人はあまり見たことがないですし、私の方で試したこともありません。

ただ見学に関しては、早く始めてもそこまで損ではないですし、妊娠がわかった時点で始めても良いと思います。見学を早めにしておいて、その際に申込書をもらっておき、気が向いたら後でエントリー、でも良いです。

※筆者注: 厚生労働省が平成28年に発表した「『保活』の実態に関する調査の結果」によると、産休前の妊娠中に保活を開始した人が全体の15.5%、また、妊娠前に保活を開始した人が全体の4.1%いることが分かっています。

申し込みが早いほうが有利となると、申し込みを焦ってしてしまうことも考えられますが、認可外は施設ごとの質の差が激しいため、安易な申し込みは厳禁です。かならず見学をしましょう。なお認可外の見学については、こちらこちらの記事が非常に有用ですので、必要に応じて参照ください。

Q4.申込にはお金が必要なのか

――申込時にお金が必要になる場合があるという情報を目にしました。また、申込をキャンセルしたときにお金が返ってこないという話も聞きました。本当でしょうか? 

長岡さん: 申込金が要る施設もありますし、要らない施設もありますが、要る施設のほうが少ないです。対応は施設ごとにバラバラですので、それぞれ施設に直接聞いて確認するしかありません。

要る施設でも、キャンセルになったら返すという施設もありますし、返さない施設もあります。申込金+保育料を前もって払ってくれという施設もあります。法的なリスク回避のためにお金を取らないことにしている施設もありますし、そのリスクを平気で取っている施設もあります。

風間さん: 申込金などについては、施設によって様々です。基本的には民民契約なので、高額な申込金を支払って申し込むか、断念するかは各家庭の判断になりますが、高額な申込金を取られたという苦情や相談が役所や私にもあり、役所も問題視しています。

Q5.施設への本気アピールは有効か

――選考のタイミングで、その施設だけしか申込をしていない「単願」か、認可などその他の施設も一緒に申し込んでいる「併願」かを施設側から聞かれるとの情報がありました。それによると、単願だと併願より優遇されるので、多くの人が実際には認可との併願であるにもかかわらず、申し込み時に「単願です」と嘘をつくので、認可外に受かりたいなら自分も嘘をつかなければならないとのことです。これは本当でしょうか?

風間さん: そのようなことをされる方がいらっしゃるのは事実です。併願なのに単願であると嘘をつくことは「良心が痛む」というご相談者様もいらっしゃいますし、実際にどうするかは個々人のご判断次第になるかと思います。

認可外の選考は、就職活動に似ています。単願と言うかどうかは、就職活動で「御社が第一志望です」と言うかどうか?という話と近いものがあります。

長岡さん: 実際のカウンセリングの場面で「単願と嘘をつかないといけないんですか?」と聞かれた場合、「それは保護者の方のご判断です」とお伝えしています。この際、考慮する必要があるポイントとして下記3点が挙げられるかと思います。

単願と言ったら絶対入れるというわけではありませんし、入所できる確率が上がるか否か、実際のところは分からないのです。どのくらいの方が併願を単願と偽って申告しているのかは不明ですし、確認のしようもありません。

 

――選考では、施設長に熱心な手紙を書くと優遇されることがあるので、受かりたいなら自分も何通も手紙を書かないといけないと聞きました。本当でしょうか?

長岡さん: 先着順と抽選の選考は機械的に行われるので、施設長への手紙は関係ありません。独自基準の選考では、事業者や、施設長の価値観によって選考基準が決まってきます。したがって、施設長に手紙を出すことが有利に働く可能性は無いとは言えませんが、私どものアドバイスにおいては、手紙を出すことをおすすめすることはありません。

独自基準の認可外には、たとえば「保育料を滞納しない方を選びたい」という施設もあれば、その施設の保育理念に賛同してくれる人を選びたいという施設もあります。また、保護者の状況が大変で、これはサポートしてあげないとマズいという方から優先して選ぶ施設もありますし、逆に保育士が楽になるようになるべく預かり時間の短い方から優先して選ぶような施設もあります。

つまり、何が刺さるか分からないというのが正直なところなのです。私はそのような、効果があるかどうか分からない状況で手紙を書いたりすることに時間と労力を割いたり、ストレスを抱えたりすることにあまり意味が無いと考えていて、それを踏まえておすすめしていません。

風間さん: 手紙を出すことに効果があるかどうかは施設によっても異なるでしょうし、もしかすると全く意味がないかもしれません。さきほど、認可外の選考が就活と似ていると表現したのは、「相手がどのような基準で何を見ているのかが分からない」状況が同じだからです。

ただ判断する相手も「人」ですから、手紙で気持ちが伝わる可能性はあると感じています。それは、手紙を出したことが功を奏して内定連絡が来たという話をよく耳にするからです。実際に私が保活相談で手紙の事例を紹介したところ、その方から「実践したら内定連絡がきた」という報告を受けたこともあります。

Q6.認可外保活の情報収集のやり方

――認可外の情報はどこからどうやって入手するのが一番良いのでしょうか? 区の窓口は頼りになるのでしょうか、ならないのでしょうか。民間の保活アドバイザリーサービスはどうでしょうか。

長岡さん: 基本的に自力で頑張って調査するしかありませんが、認可外施設を探すときは、まずは自治体に問い合わせをするのが良いと思います。保活に関する相談窓口はどこの自治体にもあり、そこの担当の方が認可外についても把握している可能性があるからです。役所でなくても、子育て支援センターであるとか、子育て広場といったところに、そういった担当の方がいらっしゃることもあります。そこで、認可外ってどうやって探せばいいんですか?と聞くのが良いです。

東京都は、東京都福祉保健局ウェブサイトに認可外保育施設の一覧があるので、これで自宅近くの認可外施設の存在を知ることができます。施設の情報が必ずしも最新化されているとは限らないため、記載内容が実態と違う場合もありますが、一覧として情報を把握する最初のとっかかりとしては最も有用な資料です。ただ、空き状況や申込状況まではここには載っていません。

※筆者注: 東京都福祉保健局ウェブサイトの認可外一覧ですが、認証保育所はこちら、保育室、企業主導型保育、助成のない認可外はこちらで確認できます。(保育ママは各自治体のウェブサイト等で確認いただく必要がありますが、そもそも自治体によって制度があるところと無いところがあります)

風間さん: 世田谷区では、認証や保育室などの区が助成している認可外は認可同様に情報提供をしており、助成していない認可外については、東京都に届け出をしている事業者一覧として案内をしています。

保活は就活と同様であるとお伝えした通り、情報の質と量は重要です。役所の情報は正確ですが、不足しているのであれば自分で正確な情報を収集した方が良いということになり、私への相談があるのだと感じています。民間の保活アドバイザーのことは詳細がわかりませんが、ネット上には個人がアップしている不正確なものもあるようなので、その確認も含めて自分で収集するしかないのだと思います。

※筆者注: 保活アドバイザリーサービスとは、保活のプロに有料で保活相談に乗ってもらえるサービスのことです。実は、僕もいちど個人的に長岡さんのサービスにお世話になっています。業者は複数存在し、最近では福利厚生として従業員が利用できるようにしている企業も少なくありません。興味のある方はぜひご自身でも調べてみて下さい。

Q7.保活のための引越しは有効か

――押さえの認可外保活を行う方の中には、認可ないし認可外に受かりやすくすることを目的として、引越しを同時に検討している方もかなりの数いらっしゃると想像します。おふたりの過去の相談者のなかにもそのような方はいたと思いますが、その際、どのようにアドバイスされましたか?

風間さん: 私のところには、世田谷区外の方から「世田谷区への引越しを考えているのだが、保育園について相談に乗って欲しい」というメールが時折届きます。その際、引越し時期やエリア、準備の仕方などを助言し、預け先を確保させた方が多くいらっしゃいます。

また、世田谷区内の方から「より保育園に入りやすいエリアへの引越しをしたい」というご相談をいただくこともあります。その場合はかなりの高確率で認可保育園に入園できているので、引越しという選択肢がある場合は保活に有利になると言えます。

そもそも世田谷区は昨年まで待機児童数が6年連続で全国最多でしたので「保育園に入りにくい」と思われているのですが、母数も都内で群を抜いて多いので、最も保育園に入りにくい自治体というわけではないと感じています。また待機児童数の算出方法については各自治体によって異なったりしているので、その順位が入りにくさを示しているわけではなく、隠れ待機児童数も注視する必要があります。

共働きで子育てをしていく上で預け先を確保できることはとても重要なので、私は保育待機児を解消すべきと考えて議会で取り組んでいますが、各自治体によって異なる子育て支援全般の環境や制度については、23区内では世田谷区が断トツで先進的だと感じており、おすすめをしています。

具体的には、都内でも他の自治体に先駆けて産後ケアセンターを設置していることや、妊娠期から就学前まで一体的に支援するネウボラ制度を先進的に導入していること、緑が多く都立公園を含む大きな公園が多数あることなどがあげられます。よって、世田谷区への引越しを検討されている方には、自信を持って世田谷区をおすすめしているのです。

長岡さん: 保活のための引越しについては、私は基本的にはおすすめしていません。なぜなら、引越しをしたからといって認可に受かるとは限らないからです。わざわざ費用と労力をかけて引越しをしなくても、認可外を含めてきちんと保活を行えば、満足のいく結果につながるケースは多いのです。

ただ、いま住んでいるところにもう住まなくても良いというご判断をしている方で、受かる確率を少しでもあげたくて引越しをしたいという方に対しては、どこに引っ越せばよいかについてアドバイスさせていただくことはしています。引越したいという方を止めることはありませんが、「引越した方が良いんでしょうか?」とご質問をされる方に対しては、まずは今お住まいの自治体で保活をすることをおすすめしています。

例えば、現住居が育児に関しておじいちゃんおばあちゃんのサポートを受けやすい環境だったとします。この状況で、保活のために今住んでいる場所を離れて遠くに引越したほうが良いのか?というと、そうとは限らないですよね。保育園は認可外になるかもしれないですが、おじいちゃんおばあちゃんのサポートが受けられる現住居のほうが良いという判断も十分に有り得ます。このようなケースがあるので私は、なぜ引越ししたいのか?をまず最初にヒアリングして、その内容に従ってアドバイスをすることにしています。

ちなみに、都心を離れて郊外に行けば保育園に入りやすいかというと、正直なところそうでもありません。東京23区よりも、埼玉や千葉の都市のほうがむしろ保育園事情が厳しいということはザラにあります。

もしご相談者様が引越しをする意思を固めていらっしゃるならば、様々な客観的なデータを元に判断してアドバイスを差し上げることになります。待機児童数も1つの参考にはなりますが、他にも待機児童比率、隠れ待機児童比率、認可の数など、いろいろなものを判断材料にします。

また個人的には、引越し先の街が好きになれそうか?も大事だと考えています。例えば、その街が全く好きになれないのに、保育園に入りやすいという情報のみをアテにして仕方なく引越しをしたとします。そして結果として保育園に落ちてしまい、その状態で好きでもない街に住み続けて子育てをすることになってしまったら、悲惨ですよね。ですから実際に行ってみたときに、長く暮らしていけるイメージがきちんと湧く街を選んでいただくのが良いのではないかと思います。

※筆者注: 隠れ待機児童とは、認可に入れなかったにもかかわらず、様々な理由で待機児童とカウントされていない児童のことです。2018年の厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」によると、2018年4月1日時点の待機児童は全国で19,895人。それに対して隠れ待機児童は71,300人と、待機児童の約3.6倍の数が存在していることが明らかになっています。

取材を通して得た主な気付き

以上が風間さんと長岡さんの回答になりますが、この章では記事のまとめとして、認可外保活に関して僕が特に重要だと感じた点をお伝えします。大きく2点あります。

1.都市部に住んでいる以上、認可に確実に入れる方法は無い

本記事は最初、どうすれば認可に確実に入れるのか?という内容で企画していました。それこそ、引越しや、その他違法ではない範囲で「裏技」と言われるような方法も駆使して、こうすれば認可に安心して入れるよ!という記事に仕上げるつもりでした。しかしいくら調べても、確実に認可に入れると言える状態になる方法は見つかりませんでした。

いま考えるとこれは当たり前の話で、結局、入所枠に対して入所希望者のほうが多い状況である以上、必ず誰かが溢れることになるわけです。そして「誰を溢れさせるか」は保育の必要性に応じて役所が機械的に決めるので、こと認可においては、入所確率を上げる努力が功を奏す余地がそもそもあまり無いのです。

たとえば直近の2018年の入園決定率、つまり認可合格率の主要市区平均は76.1%なので、ざっくり言うと4人に1人はどこの認可にも入れていません。そしてこの、どこの認可にも入れない側に入るか否かは、最後は運でしかありません。

であれば、認可は一定の確率で落ちてしまうものであると割り切り、まずはミスなく申込を完了することを目指す。そして、保活のメインは認可ではなく認可外であると考えて行動する。望ましい状況とは言い難いですが、現状ではこれが最も合理的なのではないかと感じます。

2.認可外保活は、早く始められれば成功する確率が高い

取材を通して一番意外だったのが、認可外保活のキモが「早く始めて多く申し込む」というものすごく単純なものだったことです。これは、果たして預け先をきちんと確保できるだろうか……?と不安に感じていらっしゃる方にとっては、まあ多少ではありますが希望のある事実であろうと思います。

そしてもう1点重要なのが、認可外保活は明らかに「産前」から行ったほうが良いということです。「着床したら保活」というのは全く大げさな話ではありませんでした。本当にこの字面通りに行動したほうが良いです。

じつは我が家では1人目のとき、産前はものすごく元気だった妻が、産後に激しい鬱症状に襲われてまったく保活どころではなくなってしまったため、そのときの保活は僕が全部やっています。このように1人目の産後というのは想定外の事態が起きやすく、またそうでなくても満足に保活をする余裕がなくなることがごく普通に有り得るので、なおのこと産前に保活を開始しておいたほうが良いです。

編集後記

調査と取材を終えての所感ですが、想像していたよりも希望のある内容だと感じました。

しかし、この内容を実践すれば「運任せでない」と言える状態になるかというと、微妙なところです。認可にせよ認可外にせよ、結果は蓋を開けてみなければ分からないからです。ただ、離職リスクが極めて限定的になるとは言えそうです。

そもそも激戦区でこの「離職リスクが極めて限定的」な状況を作るには、1人目の保活のかなり早い段階で本記事の内容を理解していなければなりません。保活初心者にそこまでの関心の高さを求めるのは、やや無理があります。

個人的には、これは職場の上司が理解しておくのが望ましい内容だと考えます。理由は下記3点です。

弊社にも将来的に保活を行う可能性の高いスタッフがいますが、もしそうなった場合は、今回の記事制作で得た知見を活かして全面的にバックアップするつもりです。

待機児童問題、これからどうなるでしょうね。保育の受け皿は拡大が進んでいますが、来年から始まる幼児教育無償化によって再び競争が激化する可能性も指摘されており、先行きはまだ不透明です。遅くとも我が家の子どもたちが親になる頃には、すっかり過去のものになっていて欲しいと思います。

なお、もしいまあなたが保活に悩まれている場合、僕に聞いていただければ可能な範囲でお答えしますので、TwitterFacebookで気軽にご相談ください。(専門的な内容については、風間さんか長岡さんをご紹介することになります)

では!

※TOPイラスト:宇佐美りんご

資料:参考文献・サイト等

取材時の事前調査および記事制作にあたり、特に参考にさせていただいた文献とサイトをこちらに掲載いたします。

保活全般

認可外保活

この記事を書いた人

yuyan

yuyan

Webディレクター。2009年から、医療系求人ジャンルを中心としたメディア制作・運用をやってきました。やたら長い記事を書きます。いまは東京で2人の子どもを育てつつ、米粒みたいな会社をだらだら運営しています。会社潰さないように頑張ります。
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ドラおじさん

大手人材紹介会社にて、薬剤師専門のキャリアコンサルタントとして約20年間従事し、その後独立。過去400名以上の薬剤師さんに対して転職支援をおこなった実績を持つ。

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